オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が「女性蔑視」と思われる問題発言への非難をうけ、2月11日に会長を辞任する意向を発表した。
その森喜朗氏の後任として調査されているのが、組織委評議員会議長を務める川淵三郎氏(84)であるが、川淵氏が会長職に適任かどうかについても、ネット上では再び議論が分かれている。
なぜなら川淵三郎氏は過去に物議を醸す問題発言をツイッターで投稿しており、その偏った思想を問題視する声が多く上がっているからである。
今回は、川淵三郎氏の過去の問題発言をまとめてみる。
川淵三郎のネトウヨ疑惑
スポーツ界の大きな重鎮で知られる川淵三郎氏だが、過去にはツイッターで度々議論を醸す投稿をしてきたことが明らかになっている。
川淵三郎氏「月刊Hanadaの愛読者」
「月刊Handa」(飛鳥新社)は『週刊文春』の伝説の編集長、花田紀凱氏が責任編集する保守論壇誌。
「嫌韓・嫌中」をはじめ、リベラル批判が鮮明な雑誌と言われている。
川淵氏は、自らを月刊Hanadaの愛読者とツイートしたことで、対立する思想の人から反感をかった可能性はある。
川淵三郎氏 百田尚樹「日本国紀」を最高傑作と称賛
川淵氏は、百田尚樹の『日本国紀』を「最高傑作」と称しているツイートもしている。
川淵三郎氏「櫻井よしこさんは国士」
川渕三郎氏は、「歴史修正主義者」で知られるジャーナリストの櫻井よしこ氏を「国士」という表現を用いて支持するツイートを投稿している。
川淵三郎氏「韓国人は反日種族主義」
続いて他のツイートでは、「韓国人は反日種族主義」という内容の投稿も。
もちろん個人の思想の自由はあるものの、
いわゆる歴史修正主義者の1人を「国士」ととらえていることや、
そもそも「国士」という表現は適切かという点、
また川淵氏のような嫌韓・嫌中の思想の人が国際的なスポーツの祭典の会長でよいのか、
などと川淵三郎氏の過去のツイート内容から、会長職に適任かどうかについては、ネット上では議論が多く見られる。
川淵三郎過去の問題発言
川淵三郎のコロナの考え
2020年2月、新型コロナウイルスの拡大が大きくなる前、川淵三郎氏はコロナについて、「梅雨がコロナをやっつけるだろう」という主旨の発言していた。
色々な情報を聞く限り、インフルエンザより強いウイルスではないと聞いている。
ウイルスは湿気や暑さに弱いと聞いていて、日本には、梅雨というウイルスをやっつける最高の季節がある。
日本の知識や経験で必ず克服できると心から感じている。
朝日新聞インタビューより
川淵三郎氏のオリンピック開催の考え
川淵三郎氏は、五輪大会の開催可否について、過去のインタビューでは、開催への強い意欲を示している。
世論調査では、8割以上が「中止すべき」と答えている中、川淵三郎氏は、
「いざ五輪がスタートしたら日本中が盛り上がる。そこは心配していない」
さらに、
「観客が一人もいない五輪を開催するなんて無意味だと思っているんだよね」
と語っており、自身のツイートでは
「最悪の場合日本人のみ。無観客は開催の意味がない」
と言及。
つまり川淵三郎氏は、「コロナがどんな状態でもなんとしてでもオリンピックを開催する」と発言した森喜朗会長の意思と全く同じである。
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さらには、森喜朗会長から後任を依頼された川淵三郎氏は、森会長について「相談役として携わってもらいたい」と森氏の事実上の続投も発表している。
川淵三郎氏含む評議員は、森喜朗現会長を含む組織委員会の理事の任命や解任権を持つため、森氏の「相談役」としての事実上の続投は可能になるのである。
この人事に対しては、
ネット上の声
「まったく辞任の意味がない」
「森喜朗会長が相談役になるならば辞任は見かけだけ」
「なぜ辞任する森喜朗会長が依頼できるのか」
などと疑問視する声が多く上がっている。
川淵三郎氏のプロフィール
森喜朗会長の後任で調整されている川淵三郎氏とはどんな人物なのか、確認してみる。
1936年 大阪府出身(84歳)
大阪府立三国丘高校でサッカーを始め、早稲田大学、古河電工サッカー部でプレー
早稲田大在学中の1958年にサッカー日本代表に選出
1964年 サッカー日本代表として東京五輪出場
アルゼンチン戦では1ゴール1アシストで逆転勝利に貢献し、ベスト8進出を果たす
1970年 現役引退
1991年 Jリーグ初代チェアマン就任
93年にJリーグが開幕
Jリーグの創設によってサッカーは地域スポーツとして定着し、日本のサッカー界の発展に大きく貢献。
2002年 日本サッカー協会会長
2015年 日本バスケットボール協会会長
2016年、それまで2つに分裂したトップリーグが統一され、新たな「Bリーグ」発足を牽引
2016年 著書「独裁力」を発表
2019年 東京五輪選手村村長に就任、組織委員会評議委員も務める
これまでの川淵氏の経歴を見る限り、日本のサッカー界のみならず、スポーツ界に大きな影響力を持つ人物というのは間違いない。