2021年1月16日17日の2日間で行われた「大学入学共通テスト」の初日、東京江東区の試験会場で、鼻だしマスクの受験生1人が、試験監督者から鼻をマスクで覆うように試験中に6回の注意され、「次に注意を受けると失格になる」と伝えたが、7回目も従わなかったため、結果不正行為と認定されて成績が無効になった事件がありました。
この記事では、
・鼻だしマスク受験生の名前は?
・鼻出しマスク受験生が拒否した本当の理由は?
などついて詳しく調べてみたいと思います。
目次
鼻だしマスク受験生の名前特定?
今回問題になった鼻マスク受験生は、なんと49歳の男性だったことがわかりました。
大学入学共通テストは、年齢の上限はありません。
高校卒業見込みの高校3年生または既卒者、などの一定の条件を満たせば、『年度末に18歳に達するもの』であれば誰でも受験可能です。
鼻マスクマン40代だったのか・・・受験生というだけで若者と思い込んでいたな
— アイン (@ai2ka) January 18, 2021
「受験生」と聞くと、多くの人は高校生を連想していたと思いますが、今回の「鼻マスク受験生」の当人は、49歳の受験生だったようです。
この49歳鼻だしマスク受験生は、16日に現行犯逮捕後、19日夜に釈放されています。
名前の特定は現在までできていません。
鼻だしマスク受験生の異常行動の全貌!現場にいた人の証言
鼻だしマスク受験生に関する情報について、現場に居合わせたほかの受験生の情報によると
・注意喚起を聞き入れず暴れて席に横になっていた
・マスクをしなければ別室で試験を受けられる提案も拒否
・携帯で試験官を録画していた
・最後の注意で「従いたくない」と言ってスマホで尾崎豊の曲を流した
・失格後にトイレに立て篭もっていた
・トイレから出てこないため、かけつけた警察官に退去させられていた
など様々な迷惑行為が明らかになっています。
最後には会場のトイレに立てこもり、駆けつけた警察官に建造物不退去の現行犯で逮捕されましたことは、大きなニュースにもなっていました。
鼻出しマスク受験生の注意拒否の理由は?鼻だしマスク男本人の言い分【1/20追記】
この鼻出しマスク受験生の注意拒絶の理由は一体何なんだったんでしょうか…?
単なる受験生への冷やかし?嫌がらせでしょうか?
最新情報によると、この49歳鼻出し受験生は、19日夜に釈放され、本人が取材に応じています。
◆質問「なぜ鼻を出して受験していたのか?」
眼鏡をかける人なら分かると思いますが、鼻まで覆うと眼鏡が曇ってしまう。
そうなると問題文が読めない。
問題文が読めないと問題も解けないから。
毎日新聞取材にて
◆質問「マスクで鼻まで覆おうとは考えなかったのか。」
やってみたが、結局眼鏡が曇るので、問題文が読めなくなり、仕方なかった。
たかがそんなことで失格になるとは思わなかった。
毎日新聞取材にて
◆質問「なぜトイレに閉じこもったのか。」
追い出されて怖くなり、逃げるような感じだった。そうしたら警察の人が来て、出て来いと。
体調は万全で、せきやくしゃみをするようなことはなくて、飛沫(ひまつ)も鼻から出ることはない。飛沫は口からも出る。
席も一番前だったので、誰かに迷惑をかけたわけでもなく、何で失格になってしまうのか分からない。
毎日新聞取材にて
鼻だしマスク受験生に対する世間の反応は?
当初ネット上では、
「そもそも試験官は、鼻マスクについて6回も注意する必要があったのか」
「マスク受験生の処分が厳しすぎるのではないか」
と、鼻出し受験生を擁護する意見も一部見受けられました。
しかし大半は
「40代という年齢で本当に大学進学を目指す精神力あるならマスクはきっちり着用するはず」
「ただの嫌がらせ」
「妨害行為」
といった意見が非常に多く見られます。
本人は上の取材の中で、「共通テストはなぜ受験したのか」記者に聞かれると、
冷やかしではなくて、きちんと受けようと思って…
毎日新聞取材より
と答えており、嫌がれせの意思はなかったとみられるものの、「本当にまじめに試験を受けようとしたのであれば、試験のルールくらい守れるのでは?」との指摘が多くあがっています。
鼻出しマスク受験生に対する著名人の意見
鼻出しマスク受験生に対する著名人の意見についてもまとめてみます。
・教育評論家の尾木直樹氏
周りの受験生の皆さんに不快な思いや感染の心配、監督とトラブルになっていること、自分たちが他の教室に移動しなければならないという大変な迷惑を被ったとされることこそが失格に値する大問題ではないでしょうか?
単なる鼻マスク問題ではなく、試験妨害行為ならば毅然とした指導・監督は当然ではないでしょうか?
みなさんが安心して試験に打ち込めるように監督官は神経をすり減らしておられるはずです。
状況を広く、他の受験生の立場からも捉える必要があるのかもしれません。
尾木直樹氏公式ブログより
・脳科学者の茂木健一郎氏
鼻出しマスクの件、非典型的な個性に向き合い、包摂することが本質。
注意されたらおとなしく従うということが悪意ではなくできない個性もあります。しかもマスクという人によって身体性知覚が異なるものが対象なのに。明らかに試験官側の対処が稚拙。記録して後に事情も聞けた。これはマスクゲートだ。
— 茂木健一郎 (@kenichiromogi) January 18, 2021
と突っ込みたくなってしまうようなこの茂木氏のツイートに対しては、ネット上では賛否両論が広がっているようですが
全体的にはこの茂木氏の意見に否定的な意見が圧倒的に多いように思います。
周りの人に迷惑やんか。
人に迷惑をかけない範囲ではその人の自由は認められる(他者危害の原則)けど、迷惑かけてる時点でアウトやろ。— パウエル (@yuSCk5OrMB2U1Kv) January 18, 2021
茂木氏は「人権問題である」というような発言をしていますが、たしかにこの問題の論点からはずれているような気もします。
鼻マスク受験生の行為を不正行為にした根拠
また「鼻出しマスク着用」の行為自体は、不正行為ではないものの、「次のことをすると不正行為となることがあります」と、不正行為に準じる行為として定める8点の項目のうち、次の行為に該当します。
カ 試験場において他の受験者の迷惑となる行為をすること。
キ 試験場において監督者等の指示に従わないこと。
ク その他、試験の公平性を損なうおそれのある行為をすること。
※大学入試センター「令和3年度 受験上の注意」12ページより
報道では「6回注意されたもののそれを無視した」ということは上の項目のうち「キ 監督者等の指示に従わないこと」に該当されます。
また大学入試センターからは、受験生向けの案内やサイトでも、「マスクを着用しなければ受験できない」と事前説明を行っていました。
さらに病気などのやむを得ない事情がありマスクを正しく着用できない理由がある場合、前日までに申し出があれば別室受験を認めるとしていたんですね。
また鼻マスク(鼻を出してマスクをすること)は自分自身、また他人への感染リスクを与えてしまうことは専門家によって指摘されています。
https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2021/01/0115.html
もしこの鼻マスク受験生が身体的にやむを得ない事情があるのであれば、事前に自身調べて申し出るべきでしたし、その場で試験官へ説明をするべきだったと思われます。